今季のミランについて② ~選手起用~

今季のミランについて、年末連載形式で書いています。

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前回はガットゥーゾミランにおけるシステム論について書きました。今回はガットゥーゾ監督の選手起用について。

・メンバーの固定

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今季のガットゥーゾ監督はちょっと考えられないほどメンバーを固定しています。メンバーの固定は、スタメンをある程度固定してチームとしての連携を高めるという効果があります。例えば今季なにかと話題のサッスオーロの監督であるデ・ゼルビは、開幕から13試合で13通りのスタメンを組んで、結果が出なくなってきてからは批判の声がちらほら聞こえていました。そしてここ数試合はシステム、メンバー共にある程度固定して戦っています。では、ガットゥーゾミランにおけるメンバーの固定はどうなのでしょうか。ガットゥーゾのチームのメンバー固定は、単なるスタメンを固定して戦う、という意味ではなく、「控え選手は基本的に信用しない、頑張れば90分くらい走れるはずだ」というような論理で成り立っています。ウイングの控えとして期待されていたハリロヴィッチは全く出場機会が無く、なによりガットゥーゾが頼んでチームに残ってもらったベルトラッチもほとんど出番がありません。彼らがスタメンで出場できないのは、もちろん能力的に不足しているからですが、彼らはほとんどすべての試合で試合終盤までヘトヘトに走っている選手たちに代わって、ハードワークできないような選手なのでしょうか。モンテッラの時も交代の遅さなどで批判がありましたが、正直その比じゃないほど控え選手を信用していません。交代枠を使わないことも、それほど珍しい光景ではなくなっています。ガットゥーゾ監督は、本当に全員が90分38試合フルで走り続けられると思っているのでしょうか。

・怪我人多数問題

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そして今季の怪我人の多さ。もちろん完全にイコールで結びつけることはできませんが、シーズン前からずっと厳しいトレーニング、シーズン中も休むこともできずハードワーク…。さすがにガットゥーゾの責任もあるでしょう。

と、いうようなことを書いていたら遠藤さんのブログにてこのようなことが書かれていました。遠藤さんもおっしゃるように、怪我をするには複合的な要素があって必ずしもこうしておけば正解ということはありませんが、選手一人一人のことを理解して管理しようという気はガットゥーゾはゼロです。おそらく、自分は無理が出来た人間だったから、ミランの為にもそれを全員に求めるのでしょう。そしてある程度自分についてこれる選手、例えばバカヨコなどには異常な執着を見せ、パフォーマンスが悪くても使い続け、なんとかチームの役に立つ選手に仕上げたら大満足で、ただその間チーム全体のことはまるで考えず…となるのでしょう。現在最高の戦術家として評価されているグアルディオラが、選手ひとりひとりのコンディショニングにどれほど気をつかっているか。ガットゥーゾにはミラン愛とパッションしかありません。

 

今回はここまで。本当は選手起用問題と関係してくるイグアイン問題まで触れようと思いましたが、それは次回ということで。明日はミラン並みに酷い状態のフィオレンティーナ戦です。