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プロジェクトに基づくここまでのミラン補強戦略

すでにムサッキオ、ケシエ、リカルド・ロドリゲス獲得を決めているミランだが、まだまだ補強は終わらない。7月にはヨーロッパリーグ予選がはじまることから、それまでにできる限りメンバーを固めておくことが求められる。17-18シーズンに向けて、新生ミランのプロジェクトを確認しながら、個人的見解をまとめていきたいと思う。

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・目標と現状の確認

まずなにを語るにしても、前提として17-18シーズンの目標をハッキリとさせておく必要がある。そしてこれについてはファッソーネが何回も言及している通り"チャンピオンズリーグ圏内に確実に入ること"だ。"優勝"でも"チャンピオンズリーグ圏内を目指す"でもなく"確実にチャンピオンズリーグ圏内に入る"だ。新生ミランの中・長期的プロジェクトのはじまりは、これが絶対的な目標だということを前提とさせていただきたい。今シーズンの結果、内容から考えると現メンバーのまま4位以内に入るのは困難であるから、補強が絶対不可欠で、近年補強を怠ったせいで、ほぼすべてのポジションにお金をかけなければいけないのが現状だ。昨シーズンのメンバーで17-18シーズンも絶対的なレギュラーになるとされているのはドンナルンマ、ロマニョーリ、ボナベントゥーラ、スソくらいだろう。

・ここまでの補強戦略

最初に述べたように、現時点でムサッキオ、ケシエ、リカルド・ロドリゲス獲得が決まっており、まだまだ終わる気配はない。ムサッキオはビジャレアルで圧倒的な対人能力を誇っていた26歳のCBだ。昨シーズン、ロマニョーリの相棒はパレッタだったがクオリティ不足とメンタル的な問題があった。まずここに確実にクオリティのある、まだまだ成長も見込める選手を補強できたのは大きい。移籍金は1800万€だ。

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そしてアタランタからやってきたケシエは、今シーズン大ブレイクした20歳の中盤の選手だ。圧倒的なフィジカルと確かなテクニックで90分間攻守に貢献できる選手で、クツカの上位互換といったイメージだ。能力的にも即戦力かつ20歳という年齢から、長期的プロジェクトの一員として期待するべき選手である。移籍金は2年間の買い取り義務付きレンタルで500万€、2年後に2500万€が支払われる。おそらくプロジェクトの中でいちばんお金をかける必要がある今夏に、他のポジションにお金をまわせるのは大きい。

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リカルド・ロドリゲスヴォルフスブルクで評価を高めた左サイドバックの選手だ。3バックにも対応可能で、現時点ではデ・シリオの上位互換というイメージ。ミランの左サイドバックデ・シリオの去就が不透明で、バンジョーニはパフォーマンスが良くない。この選手も即戦力かつ24歳と若いことから長期的戦力として期待できる。移籍金は1500万€に300万€のボーナスが付く形で破格の安さだ。

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ここまで3人の獲得でわかる通り、獲得を狙う選手はチャンピオンズリーグ圏内のチームに相応しい即戦力的要素と、中・長期的プロジェクトに相応しい将来的要素が重要になっている。そして確実に来シーズンの柱になるこの3選手にかかる移籍金をできるだけ抑えたのは、かなりのファインプレーだろう。

・これからの補強戦略

まず今もっとも獲得に近いのはアタランタの右サイドバック、コンティだろう。すでに個人合意しており、残すのはクラブ間合意のみだ。アタランタは移籍金2700万€を求めているという報道もあるが、さすがにそこまで跳ね上がることはないだろうと思う。2500万€以内でまとめられたら、ライバルも狙うイタリア代表の若手サイドバックという要素も踏まえて、いい交渉だったと言えるだろう。アバーテがもう30歳を越えたことから、数年後に確実に世代交代が必要になってくるポジションで、カラブリアを絶対的なレギュラーとして見守る余裕はないので、絶対に必要な選手だ。23歳のイタリア人というところも、長期的プロジェクトにピッタリの選手だろう。

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そして次に獲得が近いのはラツィオの中盤の選手ビリアだろう。ラツィオとはすでにケイタとセットで5000万€を払うことで合意している。この選手は現在31歳だが、セリエ経験があって確実に計算できる選手という点、ライバルクラブからの補強という点、今のミランに少ないベテランで、まだ3年くらいはクオリティをキープできるであろう点から、もってこいの選手だ。来シーズンの目標を前提としてることを思い出していただければ、いまミランに適任が1人もいない中盤の底は絶対に失敗ができない補強ポジションなので、ビリアがどれだけ適切な補強なのか理解できるはずだ。セリエAでプレーしている選手を積極的に狙っているのも、"確実に計算できる"からだろう。数年後、ここのポジションにはビッグネームの補強があるだろう。

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そしてビリアと一緒にクラブ間合意は済んでいるケイタは、ウイングや2トップとしてプレーできる将来有望な若手ドリブラーだ。現在のミランにはウイングには一応ボナベントゥーラとスソというレギュラーがおり、ビリアに比べたら失敗がまだ許される(基本的には許されないが)ポジションだが、ケイタのクオリティなら間違いなく活躍できるはずだ。そしてこの選手もライバルを出し抜き、ライバルクラブからの獲得という点、まだ22歳という点から、ぜひ獲得したい選手だろう。ビリアとセットの5000万€という移籍金も安いほうだろう。ただ、ひとつ問題なのは本人がユベントス移籍を希望していると言われている点だ。「ユベントスに行きたい選手を獲得するな」というミラニスタの意見も感情的にはわかるが、しかしこれだけ条件が揃っている選手を獲得できるチャンスを潰してはいけない。

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絶対的なストライカーの獲得は、今夏の目玉補強のひとつとしてフィーチャーされている。新生ミランは、このポジションに新しく強くなるミランのイメージとそれに伴う商業利益を期待しており、ビッグネームの名前が補強候補に挙がっている。ここまで噂されていたモラタやオーバメヤンは、獲得から遠ざかった印象だ。いま噂されているのはベロッティ、アンドレ・シウバ、デンベレ、カリニッチあたりだろう。ここまで読んでいただいた方ならもうおわかりだと思うが、国外でブレイクした若手のストライカーであるアンドレ・シウバ、デンベレは、商業面での期待はできるかもしれないが、あまりにも博打的補強だ。何回でも強調するが、17-18シーズンは"確実に"4位以内に入らなければならない。この1年でブレイクした国外の、しかもセリエAよりもマイナーであるとされるリーグの若手を獲得するのはあまりにも危険であり、セリエAにはフィットしませんでした、では済まないのだ。デンベレ獲得の噂が出たときも、あくまで2番手ストライカーとして獲得する、という話だった。プロジェクト的な意味と、戦力的な意味を考えたうえで狙うべき選手は、前に16-17シーズンを振り返る記事でも述べた通り、ベロッティ以外いない。ミラニスタから絶大な人気を誇っており、セリエAで26ゴール決めたベロッティはこれ以上ない補強候補だ。そして次点でカリニッチだろう。カリニッチは商業面では期待できないが、確実に結果を残してくれる信頼があることはここ2年間"ちゃんと"ミランおよびセリエAを見てきた方ならわかるはずだ。(アンドレ・シウバなどが活躍できない、という話ではなく、もしかしたら怪物級になる可能性もあります。そういう話ではないです。)

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補強の噂を見ていると、今シーズンの補強予算は報道よりも多く設定されているかもしれない。そして、なぜこの記事を書こうと思ったかというと、あまりにも短絡的思考のミラニスタが多いからだ。それぞれの見解があってしかるべきだが、何回も言っているがデ・シリオの件で「出ていけ」と言っているような人によって、ほんとうに大好きな選手であるデ・シリオが移籍に傾いているという状況がほんとうに遣る瀬無く、腹立たしいので、それだけはこのブログでも強く非難していきたい。彼らはプロジェクトの内容も考慮せず、なぜか偉そうにいちいちフロントに文句を言っている頭の悪いやつらなので、できる限り無視していこう。「ドンナルンマ調子に乗るな、調子に乗るなら金置いてさっさと出ていけ」というようなことを言うやつは、絶対に許しません。言葉の選択を間違えるんじゃない。

 

まだまだトリッソなんかも噂されており、どうなるかわかりません。最後に、これからもたくさんの噂が出ると思いますが、今夏はSkyおよびDi Marzio以外の報道はあまり信用できません。十分気をつけながら、全力で楽しもう。ありがとうございました。

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