イグアイン、チェルシー移籍を希望か
ユベントスからミランにレンタル移籍中のイグアインは、恩師であるサッリのいるチェルシー移籍を正式に求めているとの報道がありました。
年内最終戦で久しぶりのゴールをあげたイグアインですが、年明け最初のサンプドリア戦ではいつものようにパフォーマンスの悪さが目立ちました。私的には、これまで何度か述べているようにイグアインへの評価はかなり低く、結果以前にその態度がとても不愉快です。それでもゴールを決めていた前半は我慢していましたが、少しずつパフォーマンスも低下。ゴールがないだけでなく、総合的なパフォーマンスの悪いイグアイン起用に不満も。
『中盤の質が悪いからイグアインがおりてくる→結果的に前線に人がいない』という論調は、ユベントス時代にも常にボールを受けに下がってきてゴール前に選手不在、という状況は常にあったため、イグアインが中盤におりてくるのはミランの中盤の質の問題ではなく、イグアインのプレースタイルと考えるべきです。そしてそのプレースタイル自体を否定することはありません。そのようなFWはいくらでも存在します。問題のひとつとして私がまず指摘したいのは、中盤におりてくることではなく、DFとの駆け引きが一切ないことです。それとクロスに対するエリア内でのポジショニングが悪く、基本的にはエリアの外で待つタイプなのでゴール前での迫力は全くありません。これについて、私は問題だと思います。そして、それを補完するシステムとして最も可能性を感じたのが、積極的にDFと勝負することを得意とするクトローネとの2トップでした。そのように多様な選手たちを組み合わせて、そのプレースタイルがチームの中で機能するようにチーム作りをしていくのが監督の仕事。ですが、結局それもうまくいかず。年が明けてもなにも変わらず。
イグアインをうまく活かすようなチーム作りが(というよりチーム作りそのものが)できていないガットゥーゾの責任でもありますし、結果や能力以前のイグアイン個人の態度の問題でもあり、買い取りを前提としたレンタルだったはずなのにゴタゴタしてしまっているフロントの問題でもあり…。今までブログやツイッター等で色々なことに言及してきたのを前提として毎回発言しています(いちいち前提となる話を振り返っていたらキリがない)が、部分だけ切り取られると私がイグアインだけを悪者にしようとしているように感じてしまった方がいるようなので、色々と難しさを感じています…。
【移籍市場】ミラン、センシ獲得に一歩近づく?
ミランはサッスオーロのMFセンシ獲得に関して、買い取りオプション付きのローンという形態での移籍に合意していると、一部メディアが報じています。一方金銭面での合意はまだで、サッスオーロ側の要求は2500万ユーロ、ミランは2000万ユーロ程度で合意したい考えです。
個人的にはミランが4-3-3で行くのであれば、とても好きな選手ですし、センシ獲得にはとても好意的です。4-3-3のIHとして出場すればハーフスペース・アタッカーとして良いプレーを見せますし、アンカーとして出場すればビルドアップの中心としてしっかりと組み立てることのできる選手です。サイズが小さい為、フィジカル系の選手をぶつけられたときに多少苦労しますが、今季途中からコンバートされたアンカーポジションでは、それなりの守備センスを見せています。個人的には、今季途中まではセンシのアンカー起用には反対の立場で、IHとしてプレーするセンシが好きだったのですが、アンカーとしても好プレーを見せていることで、さらに評価は上がりました。4-4-2でのプレーは見たことがない為、不安はあります。
クラブが、またはファンが、絶対的な選手として考えているのであれば、それは荷が重すぎると思います。もちろん成長すればより良い選手になる可能性を秘めている選手ですが、果たしてミランで成長できるのか。もし移籍が成立しても、好きな選手がまたボロボロに叩かれなければ良いのですが。
【移籍市場】ミラン、ティーレマンスに興味
チェルシーのセスク獲得間近となっているモナコ。セスクを獲得することによってティーレマンスに放出の可能性が出てきました。そのティーレマンスをミランが狙うという報道が出ています。
ティーレマンスについては、個人的にアンデルレヒト時代にかなり評価をしており、当時ミラン移籍報道が出た時はとても興奮していたのを覚えています。モナコに移籍してからは、私が見た試合ではあまり良いプレーをしていなかったので、今どうなんだろうという気持ちがありますが、その才能は本物。とても良い選手であることは間違いないはずです。
ただ、昨日も書きましたがやたらと中盤の選手を狙っているようですが、どのシステムで、どこに不足があるとみての獲得なのでしょうか。今冬に中盤に実力者を加入させた場合、バカヨコの買い取りは?ケシエの去就は?ビリアの扱いは?ボナベントゥーラ復帰時のポジションは?等々、クオリティが不足しているのは事実ですが、イマイチ見えてこない。
CL出場を前提とした急進的な補強を行ったファッソーネたちは、現場レベルでの知識が皆無だった為に失敗した。ガジディスはCL出場を前提としたようなベテランの補強に否定的、そして今はレオ&マルディーニという現場を知り尽くしている二人がいる。うまく連携が取れれば、という期待は例年以上にある。
— k (@calciostyleoe) 2019年1月5日
ただあくまで監督に対するプレゼントであって、それをピッチで活かさなければいけないのはガットゥーゾなので、結局補強はチームプレイなのかなと
— k (@calciostyleoe) 2019年1月5日
今冬の補強プラン的に、今のミランはチーム戦術と呼べるようなものが明確に無いため、補強選手をシステムにどう組み込むかみたいな視点は一切無く、とりあえずクオリティの高い選手を集めて今季は4位以内、チームにするのは来季の監督よろしく!的に映るな。なんか数年前と変わらないような。
— k (@calciostyleoe) 2019年1月5日
お金を使うならば、相応の収入を得なければいけないのは事実。ミランのチーム編成がどうなっていくのか、慎重に見守る必要がありそうです。
【移籍市場】セスクを逃したミラン、センシ獲得か
ミランはチェルシーで構想外になりつつあるセスク獲得に動いていましたが、FFPの関係上金銭的な問題で撤退予想、代わりにモナコ移籍が近づいています。
そのセスクの代案として名前が挙がっているのがサッスオーロのセンシです。サッスオーロは2500万ユーロという移籍金を要求しているそうですが、ミランはプリツァーリを含めた交渉をする予定。その他、ミランはダンカンなどの獲得も狙っている、とのこと。
正直いまのミランはセスクを獲得できるほど魅力的なクラブではなく、ガジディスはCL出場を前提としたようなベテラン勢の補強に否定的なので、交渉決裂は仕方ないと思います。そして代案として挙がっているセンシですが、正直チームの形すらしっかりと定まっていないので、どのように活かすのかわかりませんが、クオリティのある選手であることは間違いなく、個人的に大好きな選手です。しかし、デ・ゼルビのサッスオーロにおけるビルドアップ問題を、センシのアンカー起用というところでようやく解決したばかりなのに、冬に簡単に放出するのかな、という疑問があります。
デ・ゼルビのサッスオーロにおける今季のビルドアップ問題、ロカテッリアンカーだとディフェンス面で課題が、マニャネッリだと単純に能力不足等々、人や形を変えて色々と試した結果、センシをアンカーに持ってくるってのでようやく落ち着いたところなのに、冬に簡単に放出するとは思えないんだけどなあ
— k (@calciostyleoe) 2019年1月5日
そもそもガットゥーゾのミランでセンシが今以上に活きるとは思えないし(まあ誰でも活きる気はしないけど)、それでまたセンシがボロカス言われたらさすがにしんどい。もはや好きな選手はあまりミランに来てほしくないという複雑な感情が。特に僕の好きな選手、ボロカス言われる傾向にあるし…。
— k (@calciostyleoe) 2019年1月5日
センシ等を補強する代わりにケシエを売却する、というような話も出ていますが、そもそもまだ全額買い取り金を払っていないのでは…。
サッスオーロを追いかけている自分からすると、センシ売却はかなり痛いですが、それでスタメンの座を得たロカテッリが覚醒してくれれば…、という淡い願いもあったり。ロカテッリ、成長していつか帰ってきて欲しいな。
・ロカテッリ代理人
「ミランを去ることは誰にでも出来ることじゃないけど、ロカテッリにはその勇気があった。彼はミランに感謝しているけど、サッスオーロで楽しんでいるよ。サッスオーロは1200万ユーロ+ボーナス200万ユーロで買い取る義務があるけど、その後どうなるかはわからない。少なくとももう一年はいると思うけどね。」
ようこそ、パケタ!
もはや数か月前から決まっていたことですが、ルーカス・パケタ獲得の公式発表がありました。今冬、最初の補強となります。以前記事でも書いた通り、当面はボナベントゥーラのような役割を任されるのではないか、と言われています。あれから何度かパケタのプレーをみて、テクニック、スペース認知、空中戦等々、個人的には能力に間違いはないと感じており、あとはピッチ内外でどれだけイタリアに馴染めるか、ガットゥーゾがパケタを活かせるか、というところだと思います。今の段階では、自分のテクニックに溺れず、チームの中で自分の技術を活かすことを考えられるタイプだと感じており、非常に現代的な選手だと思っています。とても楽しみな選手です。
今季のミランについて③ 〜イグアイン問題〜
今季のミランについて、年末連載形式で書いています。
第1回はガットゥーゾ・ミランにおけるシステム論について、第2回はガットゥーゾの選手起用について書きました。今回はその選手起用とかぶってくるのですが、イグアイン問題について。
・イグアインという選手
もともと個人的にはあまり好きな選手ではありませんが、イグアインという選手はもちろん優れたストライカーで、近年の成績だけでいえば中堅クラブであるミランに加入するというのは驚きだったかもしれません。セリエAではナポリでもユベントスでもそれなりにゴールを決めている実力者です。しかし、そのプレースタイルはエリア内で勝負したり、ゴール前で待つタイプではありません。ポストプレーなどもある程度こなしますが、ユベントス時代はディバラと2トップで出場して、イグアインがボールを受けに下がってくる動きとディバラがバイタルエリアで自由にプレーする動きが絶妙に合わず、またメンタル含めたコンディションの管理があまりできず調子に波があり、ボールを受けに下がってきて、そこでボールロストするなんてシーンもよくありました。それでもあれだけ点を取れていたのは、チームの力もありますが、その決定力の高さがあったからでしょう。
・イグアインへの不満
以前なにかの記事で試合中のイグアインの態度に関して不満を漏らしたことがありましたが、それが最悪な形で多くのミラニスタに認知されたのがユベントス戦の退場劇とその後の態度でした。中にはイグアインに同情する声もありましたが、ロナウドに激怒したのは退場となってからのシーン。退場になったのはただのファールとそれに対する過剰な抗議(これは毎試合やっている)によるもの。ユベントスから追い出された経緯からメンタル面で問題があったのだろうという言説も、もちろんナーバスになるのは理解できますが、言ってしまえばチーム強化のために、もともとそのチームで活躍していた選手が追い出されるのはよくある話。私的には擁護の余地は一切ありません。そして最も不快に感じたのは、あの退場劇があった後のデュドランジュ戦でのパフォーマンス、あるいはその態度。あの退場劇でチームに迷惑をかけたのは事実。その直後の試合くらいはしっかりとやる気を出してプレーするのかと思いきや、最低レベルのふざけたプレーに終始。もうこの時点でイグアインに対する不満は最高潮でした。
・ガットゥーゾの起用法なのか
そのデュドランジュ戦後の会見や、その後のパフォーマンスの悪い試合後の会見(その後パフォーマンスが良かった試合は1試合もないが)で、ガットゥーゾは必ず「イグアインは軽い怪我をしていて本来のパフォーマンスではなかった」というような発言をしていますが、それならなぜ休ませるという選択肢がないのか。約2か月間もパフォーマンスの悪いイグアインをスタメンから外してみるという決断ができないのか。選手管理の意識がとてもプロとは思えない。試合の中でパフォーマンスの悪いイグアインを途中で下げずにクトローネを下げたことに対してガットゥーゾは「クトローネを下げたのは間違いだった」と言っていましたが、ガットゥーゾはいつも、そうした要素の一部分だけ自分のミスだと主張して、チーム全体の出来は「全員で反省しなければならない」という姿勢でいます。チーム全体のことは自分はノータッチで放置しているから、自分の責任があるということが認識できないのでしょうか。
・イグアインとクトローネの可能性
前回も触れましたが、私はイグアインとクトローネの特徴的にこのコンビはがっちりハマると考えていました。しかし、選手を配置するだけのチームではそのコンビネーションの向上はなく、イグアインもパフォーマンスが悪く、そんなチーム状態でクトローネのような若手が大きく伸びることもなく・・・。今のミランにおいて、唯一可能性を感じるところまで、希望を見いだせなくなりました。
今回はここまで。今のミランは、あらゆることに関して論理的な整合性が取れておらず、メディアの報道等も含めて、とても虚構的だと感じます。今のミランに、大きな情熱を保ち続けることは難しくなっており、また順位的にはそこまで悪くないのが、いろいろと面倒な状況にさせている気がします。もう、そろそろいいのでは。