【16-17シーズンを振り返る】アタランタ編

毎年どのリーグでもダークホースと呼ばれるチームは現れる。昨シーズンで言えば、レスターは降格争いをするはずのチームだったが、なんとプレミアリーグ優勝という快挙を成し遂げてしまった。そんなチームと比べればインパクトこそ欠けるかもしれない。しかしセリエファンとして、今シーズンのこのチームを無視するわけにはいかなかった。先週のミラン戦の結果により、来シーズンのヨーロッパリーグ出場が確定したアタランタ。このチームが欧州の舞台に立つのは実に26年ぶりとのこと。今夏ビッグクラブからの関心が報じられている選手が多いため、来シーズンも同じメンバーで戦うことはないだろう。当然同じような結果を来シーズン求めるのも無理かもしれない。しかし今シーズン、ミランインテルフィオレンティーナなどを差し置いて5位につけている、この若く面白いチームはしっかりと記憶しなければいけない。ケシエやコンティなど、ミランが獲得を狙う選手も多いこのチームの戦いを、少し早いが数日間かけて簡単に振り返ってみた。

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・不安定なシーズンスタート

レヤ監督からガスペリーニ監督になった今シーズン、開幕からずっと調子が良かったわけではない。開幕戦となったラツィオとの試合は、ホームで3点ビハインドから反撃は見せたものの3-4で敗戦。続くサンプドリア戦も1-2で敗戦。第3節でようやくトリノ相手に勝ち点3を得たが、そこからカリアリパレルモに2連敗。5試合を戦ってわずか1勝のみ。もちろんガスペリーニ解任論も出始める。ちなみにこの時期に貴重なゴールを3試合で4点も奪っていたのが、今ミラン移籍秒読み段階とされているケシエだった。

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ガスペリーニアタランタの快進撃

第6節のクロトーネ戦に勝利してからアタランタの快進撃は始まった。第7節のナポリ戦に勝ち連勝。続くフィオレンティーナ戦はドローだったが、第8節のインテル戦から第15節でユベントス相手に負けるまで7連勝。開幕5試合で1勝しかできなかったチームは完全に生まれ変わった。特筆すべきはナポリインテル、ローマといった格上相手に白星を挙げての連勝というところだ。ユベントスに敗れてから、ウディネーゼ戦、ミラン戦で勝ちから遠ざかったが、年内最後のエンポリ戦に勝っていい形で2016年を終えた。余裕を持っての残留が目標であったチームはヨーロッパの舞台を目指しはじめた。アフリカネイションズカップに出場するケシエの離脱や、ケシエと共に中盤を構成していたガリアルディーニが冬にインテルへと移籍してしまうが、しかしチームの強さは揺るがなかった。

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・衝撃的な敗戦にも揺るがず…

2017年になっても、着実に勝ち点を積み上げていった。直接の順位上ライバルになるラツィオに負けたのは痛かったが、それでもナポリ相手にアウェイで2-0で勝つなどチームとしての強さは変わらない。ナポリ戦で2得点を挙げたのはセンターバックのカルダーラ(2018年夏にユベントス移籍が決定済み)で、今シーズンは7点も取っている。そんな絶好調アタランタは、第28節インテル戦で1-7という衝撃的なスコアで負ける。序盤から立て続けに失点をしてしまい、前半が終わった頃には力尽きていた。しかし、ほんとうの強さを見せるアタランタはこの敗戦をまったく引きずることなく、次のペスカーラ戦を3-0で勝ち、欧州の舞台への切符を目指し続けた。この時点で7点奪われたインテルと同勝ち点の6位であったが、その後ははっきりと明暗が分かれていった。

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・夢のヨーロッパの舞台へ

その後ジェノア相手に5点をもぎ取ったり、主力を欠いたローマ戦でドロー、絶対王者ユベントス相手にもドローで着実に勝ち点を積み上げていく。シーズン後半、同じヨーロッパリーグを争うライバルだったはずのインテルミランフィオレンティーナが失速。そして先週のミラン戦をドローで終えたことにより今シーズンの6位以内が確定した。おそらく5位フィニッシュするだろう。ちなみにガスペリーニ監督とは2020年まで契約を延長している。

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アタランタは"売る"クラブだ。冒頭にも言ったように、来シーズンも同じ成績を求めるのは難しい話かもしれない。しかし素晴らしい若手たちを積極的に使って結果も出し、イタリア代表にとってもセリエAにとっても面白い存在だったことは確かだ。酷ではあるが、今シーズンの中心だった選手たちの今夏での移籍の噂をまとめて終わりたいと思う。

・ケシエ→ミラン (ほぼ決まり)

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・パプ・ゴメス→ローマ?ミラン

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・スピナッツォーラ→ユベントス

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・カルダーラ→ユベントス(18年夏決定)

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・コンティ→ミランインテル

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・ペターニャ→ミランラツィオ

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