セリエA第2節 カリアリ - サッスオーロ

インテル相手に勝利したサッスオーロの2試合目。前節からスタメンをいじってきて、ロカテッリとマルロンはサッスオーロデビュー。

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前節インテル戦で見事にデザインされたビルドアップを披露したサッスオーロ。今節も色々と面白いものが観れたので、メモとして。

・フォーメーション

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システムとしては3-4-1-2がいちばん正確かもしれない。WGのディ・フランチェスコがディフェンス時にWBとして振る舞い、IHのセンシはトップ下として主にHSエリアでプレー。ビルドアップは基本3+2でセットして行われ、そこに両WBとFWが絡みながら3人目の動きによってボールを前に運んでいく。攻撃パターンとしては、サイド密集化によるアイソレーションでリローラをフリーにさせてからのクロスや、ポジショナルな動きによる3人目の飛び出しなど。

・チャンスメイク

トップにいるボアテングとベラルディのポストプレーを最大限に活かす、カリアリの前プレに対するサッスオーロの対応。

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WBのリローラからロカテッリ、ロカテッリがワンタッチでベラルディに楔のパス。

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ベラルディから横のボアテングボアテングからロカテッリへレイオフカリアリのディフェンス陣はサッスオーロの2トップに食いついており、リローラとセンシは前線へ走り込む。この時、逆サイドにはディ・フランチェスコがいてカリアリのSBをピン留めしてるため、CB-SB間の距離がかなり空いている。

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ロカテッリはワンタッチで裏のスペースへ。センシが完全に抜け出した。サッスオーロのビルドアップ、チャンスメイクはチーム全体のポジショナルな動きによって成り立っている。

・脆弱な守備組織

サッスオーロは攻撃的なものは素晴らしく組織化されているが、しかし守備的な観点で言えばかなり脆弱であった。攻撃時、リローラとディ・フランチェスコがかなり高い位置を取り、なおかつCBも高い位置まで積極的に追いかけてボールを取ろうとするので、トランジション時に最終ラインが数的同数や酷い時は数的不利になる。さらに言えば、クロスボールやセットプレーの対応に難がありすぎる。この試合がデビューだったマルロンは前にボールを刈り取りに行きすぎてピンチをつくったり、セットプレーの対応が悪く失点に絡んだり、最終的にはレッドカードで退場と残念な出来だった。敵陣までマークを追いかけて、そのまま中盤に留まった時はかなり面白くてついつい笑ってしまったから、なかなか推せる選手ではあるけど。

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ただ後半にセンシ→ロジェリオの交代によって、わりと正統な3-4-3(ディフェンス時は4-4-2?)になってからはある程度改善された部分もあった。次節以降、どう修正してくるのか、またはしてこないのかが注目点だ。

試合自体は後半アディショナルタイムボアテングがPKを決めて、劇的なドローに終わった。

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サッスオーロのサッカーはインテル戦1試合だけの偶然の産物ではなく、やはり明確なコンセプトによってデザインされたものだった。ロカテッリのプレーもまだまだ改善するべき点は多いものの、昨季のミランでのプレーよりかなり良かった。やはりこういう明確なチーム戦術に当てはめると、タスクもハッキリする分、より成長が期待できそう。サッスオーロ、本当に面白いチームなので継続して注目したい。