W杯予選プレーオフ1stレグ クロアチア - ギリシャ

クロアチアは予選グループステージで対トルコ戦を観たときは、あまりレベルの高い試合ではなかったけど、プレーオフにまわったギリシャとの試合はとても良いサッカーだった。ゴールを決めたカリニッチも素晴らしいパフォーマンスだったけど、やはりモドリッチのプレーが最高だった。セリエAでもイタリア代表でもないけど、暇になったしクロアチアの2点目のシーンだけをピックアップしてめちゃめちゃ簡単になんとなく書いてみた。

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・カリニッチを活かすモドリッチのポジショニング

クロアチアはこの試合、ギリシャの左サイドを何回も崩すことに成功していますが、モドリッチのポジショニングが鍵となっていました。

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トップ下のモドリッチは攻撃時、かなり自由に動いていました。ヴルサリコの攻撃性を考えると、彼を高い位置にポジショニングさせたいので、このシーンではモドリッチがSBの位置に下がってビルドアップに参加しています。ちなみに右サイドでモドリッチ、ヴルサリコ、クラマリッチ、カリニッチが密集することで逆サイドで1対1に強いペリシッチを浮かせることができています。試合中はさらにペリシッチも中に絞り、両SBをフリーにさせることができていました。

クロアチアの先制点はモドリッチとカリニッチのプレスによってPKを誘発して、モドリッチがPKを決めましたが、2点目もカリニッチとモドリッチの関係性が起点となった右→中→左→中という完璧な崩しでした。

カリニッチがポストになり、左サイドに展開され、最後はクロスに対してカリニッチが再び反応して決まったゴール。今回はカリニッチにボールが入った瞬間に注目しました。

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下りてきてボールを受けようとするカリニッチに対して、中央を使われたくないギリシャは6番のツィオリスがしっかりと付いているように見えます。ただその近くにモドリッチもいるのがポイントです。

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当然ギリシャモドリッチにボールを持たれると怖いわけで、特にこの位置でモドリッチをフリーにさせたらギリシャからしたら一気にピンチ、クロアチアからしたら大きなチャンスになります。そんな存在のモドリッチが、カリニッチの横でフラフラと立っていることで、カリニッチにボールが入った瞬間、ツィオリスモドリッチのほうに動いてしまっています。代わりに22番のサマリスがボールを奪いにいきますが、カリニッチの得意技であるワンタッチのポストプレーによってペリシッチにボールが渡り、そこからサイドに展開されました。最後のゴール前でもクラマリッチペリシッチによってカリニッチはフリーでニアに飛び込めています。モドリッチのただ立っているだけに見えるポジショニングによって、カリニッチの質的優位を活かし、チーム全体で左サイドをフリーにすることができていたシーンで、ギリシャの脆さもありましたが素晴らしいゴールでした。(試合のハイライト動画等ではボールがサイドに渡って仕掛けるところからシーンが始まるものばかりだったので、少し勿体無いような気がします…)

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僕がカリニッチとミランに期待しているプレーのひとつが、このようなゴールです。チームとしての出来が悪いとストライカーのゴール数も少なくなるのは、今シーズンのベロッティを見てもわかるように当たり前なので、少しでも早くチームとしての練度を上げていって、カリニッチだけでなくA・シウヴァにもクトローネにもたくさんのゴールを決めて欲しいですね。

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そしてモドリッチは本当に素晴らしい選手で、単純なテクニックだけでなくポジショニング、プレスの質などほぼすべてがハイレベルで異次元。幼少期からのミラニスタという話もあるので、キャリア最後の挑戦としてぜひミランに…。

気が向いたら他の試合のことも書きたい。というか、ほんとにイタリア頑張れ。