セリエA第7節 アタランタ - ユベントス

昨シーズン4位というほぼCL権獲得並みの大躍進をしたガスペリーニアタランタ絶対王者ユベントスの試合。この対戦カード、昨シーズンもめちゃめちゃ面白かったんですけど、やっぱり今シーズンも面白かったですねー。ちょっと日にちは経ってしまったけど、代表ウィークで試合がなく時間があるときに何試合かまとめたい。

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アタランタのマンツーマン

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ガスペリーニアタランタは、原則最終ラインで数的優位をつくるゾーンでのマンツーマン。というわけでユベントスの4-2-3-1に合わせる形でわりとオーソドックスな3-4-3をぶつけます。ユベントスの両SBリヒトシュタイナーとアサモアにはWGのゴメスとクルティッチ、中盤のベンタンクールとマテュイディにはフロイラーとクリスタンテ、マンジュキッチとベルナルデスキのサイドアタッカーにはWBのスピナッツォーラとハテブール、イグアインをカルダーラがみて、ディバラを両脇のCB(マジエッロとパロミーノ)どちらかが状況に応じてみる形。ユベントスのCB2人をコーネリウス1人でみることで、最終ラインを1人余らせているわけですね。

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この形で試合に入ったわけですが、いざ試合を進めてみるとすぐに問題が発生しました。コーネリウス1人でベナティアとキエッリーニをみるわけですが、ユベントスのCBは数的優位なので簡単にボールを回せてしまいます。ボールを回した流れからベナティアが高い位置でボールを持つと、イグアインとベルナルデスキの動きにつられてディバラへのマークが一瞬浮きました。もちろんベナティアはディバラへパスを出し、カルダーラも捕まえにいきますが…

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ディバラが華麗にスルー。ディバラがイグアインからリターンを貰い、ベルナルデスキへと渡すとベルナルデスキはシュートまでいきました。ユベントスのアタッカー3人のコンビネーションによって、中央を数的同数でこじ開けられてしまいました。さらに…

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キエッリーニお得意の持ち上がり。慌ててマジエッロがプレスにいきますが、またもやユベントスのアタッカー3人と数的同数。このシーンも最終的にはブロックこそしましたが、ベルナルデスキにシュートされてしまいました。さすがにこのままではいつか失点してしまう…。ガスペリーニはすぐに修正します。

ガスペリーニの修正、しかし…

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3-4-3を変則的な形にして、ベナティアとキエッリーニをコーネリウスとゴメスの2人でみるようにしました。そしてクルティッチが左サイドにうつり、リヒトシュタイナーをみます。当然、最終ラインで数的優位をつくるためにはどこかを捨てなければいけないのですが、ベナティアとキエッリーニどちらかを捨てる形で試合に入った(結果的に2人を自由にビルドアップさせてしまった)のを修正して、左SBのアサモアを浮かせる形にしました。しかしユベントスも柔軟に対応、今度は浮いたアサモアをビルドアップの基点にします。そしてすぐに先制点が生まれました。

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右サイドからマンジュキッチを狙ったロングボールが入ると、アタランタはWBのハテブールが対応。しかしボールは後ろにそれて、アサモアにボールが渡ります。

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するとマジエッロがつり出され、クリスタンテはクロスに備えてカバー、アサモアからマテュイディにパスを出されマテュイディがシュート。こぼれたところをベルナルデスキに押し込まれユベントスに先制点が生まれました。

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得点後もアサモアにボールが渡るユベントスマンジュキッチは中央で構えます。

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サモアからベンタンクールにボールが渡りマンジュキッチへ。マンジュキッチポストプレーを活かしベルナルデスキがおしゃれなラストパス、最後はイグアインに決められてしまいました。うーん、ユベントスのアタッカー陣強い。

・ゼロトップ

2失点したアタランタはゴメスを中心に左サイドから崩していきたいところですが、コーネリウスがベナティアやキエッリーニに対してなかなか質的優位を確保できません。それでもゴメスのフリーキック(こぼれ球をカルダーラが決めた)で1点返すことができました。そしてこのゴールが決まったあと、前半30分過ぎに早くもコーネリウスを下げてイリチッチを投入します。

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マンツーマンの仕方は変わらず、ゴメスとイリチッチでベナティアとキエッリーニをみます。

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しかし攻撃面では、ほぼゼロトップのようにゴメスとイリチッチがキーマンとなり両ハーフスペースから崩し、クルティッチや中盤の選手がエリア内に入っていく形になりました。コーネリウスが質的優位を確保できないのなら、左サイドのゴメスのように右サイドのイリチッチのテクニックで質的優位を確保しようとした感じですかね。この交代後、アタランタが押し込む展開が続きましたが前半はこのまま終了します。

・勢いにのるアタランタ

アタランタは後半も同じように試合に入ったわけですが、2点を失っているため前がかりになり攻めていきます。両WBは積極的に前に上がり、両脇のCBも攻撃参加するようになります。ユベントスを押し込む展開が続くと、ガスペリーニはクルティッチに代えてペターニャを投入、エリア内や空中戦に強いタイプのFWを再びピッチ上に送り込みました。ユベントスのゴールがVARによって取り消されるなどがあり、イエローを貰ったリヒトシュタイナーに代えてバルザーリを投入したユベントスですが、アタランタの勢いは止まらず。左サイドからゴメスがクロスを入れるとクリスタンテが飛び込んで豪快なヘッド。ついに同点としました。クリスタンテ、いい選手になったなあ…。

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その後ペターニャを投入したことでオーソドックスな3-4-3となったアタランタと、前半15分間のようにD・コスタ等を投入してコンビネーションからの崩しを狙ったユベントスのオープンな試合展開になりました。VARによってユベントスにPKが与えられるもディバラが外して、最終的に2-2の同点のまま試合を終えました。

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今シーズンのアタランタもかなり強いですねー。3-4-3をいろんな形に変えてくる柔軟性はとても面白いし見応えのある試合でした。ユベントスも追いつかれはしたものの、前線の破壊力は相変わらず凄まじいですし、ベルナルデスキが初ゴールを決めたのも良いですねー。そしてベンタンクールのうまさ…。ミラン、獲得するって話だったじゃないですか…。それとちゃっかり代表に選ばれてるクリスタンテ…。

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