セリエA第7節 ミラン - ローマ

すでに2敗しており、ここから厳しい試合が続くミラン。一方徐々にチームの調子を上げてきたローマもここから厳しい試合が続くので、どちらも絶対に勝っておきたかった試合。

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まず、とても面白い試合でした。モンテッラとディ・フランチェスコという2人の若き指揮官が、母国のビッグクラブを率いて対戦するのはワクワクしましたね。前半は明らかにミランが試合の主導権を握っていました。

・プラン通りの試合をするミラン

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ミランの攻撃は現実的で割り切ったものでした。後方から2トップを走らせるようなボールを送ると、カリニッチとA・シウヴァ(この試合では主にA・シウヴァ)がある程度の確率でマイボールにしてくれるので、ローマを押し込むことができます。ミランがいちばんやられたくないのは、しっかりと繋ぐビルドアップの最中にボールを奪われカウンターを受けることなので、これだけ押し込んでいればカウンターの危険性はある程度抑えることができます。もしマイボールにできなかったとしても、ローマのビルドアップに対してしっかりと対策はしていました。

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今シーズンのローマで気をつけなければいけないのはLSBのコラロフです。コラロフから縦に出されると面倒なので、IHのケシエがプレスをかけます。そしてもう1人面倒なのはボールを見事に循環させるデ・ロッシなのでカリニッチとA・シウヴァのどちらかが常にデ・ロッシへのパスコースを消します。コラロフからサイドに流れるジェコのポストプレーコラロフのサイドチェンジは本当に怖いのでこれをさせません。そうすると、今夏ディ・フランチェスコ監督が就任したばかりのローマは、まだ他のパターンでそれほど怖さがないので、ある程度はローマを抑えていたといえます。ちなみにコラロフに対しては、ケシエがプレスにいけないときはA・シウヴァやボリーニがプレスにいくなど徹底されていました。

・ローマの対策

前半を思い通りにプレーできたミランは後半も同じようにプレーします。開始早々から勢いがあり、いい入り方をしました。ただローマも対策をしてきます。

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後半からローマはより深い位置からビルドアップをするようになり、そこにデ・ロッシだけでなくナインゴランも下げてビルドアップに参加させます。ミランが前がかりになるのを狙っているわけですね。下がって受けたナインゴランに対して誰もプレスにいけず、ミランのIHは高い位置にいるのでビリアの横が完全に空いています。

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そのスペースにいるペッレグリーニを使うことで、カウンターと同じような状況を作り出せています。偽のカウンターってやつですね。さらにデ・ロッシとナインゴランでビルドアップすることによって、あれだけ警戒されていたコラロフをフリーにすることを試みました。

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ミランの2トップの間にナインゴランが入り、その横でデ・ロッシが構える。ナインゴランが下がったのに対して、ミランはケシエがプレスをかけます。マノラスからナインゴランへとパスが渡ると…

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ナインゴランはワンタッチでデ・ロッシへ、デ・ロッシがワンタッチでコラロフへ。ケシエを引っ張り出してコラロフをフリーにすることができました。ただこの場面ではデ・ロッシのパスがズレてミスになっており、このような対策はしてきたものの、試合の中ではそこまで決定的なものにはなりませんでした。

ミランの失点

ローマの対策がそこまで機能していなかったこともあり、ミランは勢いそのままで得点を狙っていました。しかしほんの少しのミスから失点してしまいました。

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いつも通りボヌッチからのビルドアップ。ボヌッチはR・ロドリゲスへと展開します。

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しかしボールの質が悪かったこともあり、R・ロドリゲスはトラップミス。すぐにフロレンツィに奪われ、縦に走るペッレグリーニへと渡ります。

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ほぼ数的同数の状況でペッレグリーニが斜めにドリブル。最後はジェコの圧倒的な個によってゴール。ビルドアップの最中で前がかりになったところでカウンターを受ける、という最初から警戒していた形で失点してしまいました。70分間プラン通りに試合を進めてきたミランでしたが、このたったひとつのミスで失点してしまうのはとてももったいなかったですね。そして2点目はセットプレーからの流れで、あれほど警戒していたコラロフから縦に出され、ジェコのポストプレーを受けたナインゴランがシュート、こぼれたところをフロレンツィに押し込まれました。なんとか反撃したいミランでしたが、チャルハノールが2枚目のイエローで退場したことでほぼ試合が終わってしまいました。

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この時点で3敗はいい結果ではありません。そして次はインテルとのダービーです。僕はモンテッラのことがとても好きですし、モンテッラのやろうとしているサッカーにもとても興味があります。ただ結果だけを見るならば、もしインテルに敗れるようなことがあれば、それがミランにとって本当に正しいのかは置いておいて、解任されたとしても仕方ないのかなと思います。そしてモンテッラ大好きマンの僕でも、モンテッラに対して不満に思っていることがいくつかあります。別になにがなんでもモンテッラを擁護するぞ!とも思っていません。ですが、それ以上に不満なこと、気に食わないことがありますね…。

なんにせよ、次節のインテル戦は絶対に勝ちたいので代表ウィーク中にできる限りのことをやって万全な状態で試合に臨みたいですね。ローマに2点目を決められたとき、正直泣きそうになりましたが、どんなに勝てなくても僕はミランが大好きです。

Forza Milan!!

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