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新生モンテッラ・ミランの攻撃 Part.1

昨シーズンのミランモンテッラのサッカーが出来ていなかった。もともとの戦力でも厳しかったうえに怪我人が続出したため、リーグ戦後半はお世辞にも面白いサッカーをしていたとは言えなかった。しかし多くの選手を獲得した今シーズン、特に先日のホームでのクラヨーヴァ戦では面白いサッカーを披露してくれた。新生モンテッラミランの基本的なビルドアップと、クラヨーヴァ戦での様々な攻撃の形を振り返ってみたい。

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・ビルドアップの基本形

最終ラインからのビルドアップ。右サイドのコンティが上がり、ケシエが下がる。

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ゆっくりと最終ラインでボールを回しながら、ラインを押し上げていく。このとき左サイドもタイミングの見ながらR・ロドリゲスが上がり、ボナベントゥーラが下がる。コンティが高い位置をとれているため、スソが中央よりにポジションをとる。

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このように多くの選手を前線に送り込むことができている。ここからボナベントゥーラやケシエもサイドにボールを散らしながら前線に顔を出すので、さらに多くの人数で攻撃することができる。ただしカウンターに備えてケシエとR・ロドリゲスは、ボナベントゥーラとコンティに比べて慎重にしなければいけない。(モントリーヴォはこの状態で中央裏へと雑にボールを蹴るので、簡単にカウンターをくらってしまう。)

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・攻撃の形①

スソがサイドでボールを受け、オーバーラップするコンティへパス。コンティから併走するケシエへパス。

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もう一度コンティを使うこともできたが、ケシエはクトローネへのスルーパスを選択。これは通らなかったが、右サイドからコンビネーションで崩した良い攻撃だった。

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ちなみにこの攻撃の後、クラヨーヴァはスソ、コンティ、ケシエが上がった右サイドからカウンターを狙うものの、ロカテッリがしっかりとケアしていた。地味ながらいいプレーだった。さらにロカテッリがボールを奪ったとき、すでにケシエが近くにいるのが、この選手の凄さを感じさせる。

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・攻撃の形②

最終ラインからビルドアップを試みるが、クラヨーヴァの前プレ(組織的ではない)によって詰まってしまっているシーン。ドンナルンマから前線へフィード。

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クトローネがなんとかおさめて前プレ回避。

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コンティやスソとのコンビネーションからケシエが前を向くと、クトローネとニアンがおとりの動きでスペースメイク。そこにR・ロドリゲスが走りこむ。

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完全フリーの状態でシュート。クラヨーヴァの守備陣のミスもあるが、かなり良い崩しだった。

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ちなみに昨シーズンはポストプレーの出来ないバッカやそこまで得意ではないラパドゥーラがボールを奪われて相手チームの攻撃になってしまう、というのの繰り返しだった。そして最終ラインからのビルドアップもうまくできていなかったので、前プレをかければ簡単に自分たちのボールにできてしまう、というのが相手チームの簡単なミラン対策だった。もしバッカのポストプレーがうまくいき、上のような状況に持ち込めても、デ・シリオならこの位置まで上がっていなかっただろう。クトローネもセリエAの屈強なディフェンス陣相手にどこまでできるかわからないが、このレベルではかなりうまくやれていた。

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・攻撃の形③

今度はポストプレーではなく、センターバックからサイド裏のスペースへとクトローネを走らせることでボールを前に運ぶシーン。サパタのフィードからクトローネがサイドでボールを持つ。クトローネからスソへのパスが合わなかったのが残念だったが、連携面で改善すればチャンスになるシーンだった。

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今度はムサッキオからサイドのスペースへとフィード。またクトローネがボールをおさめる。

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このチームにボヌッチが入ると、効果的にこのようなフィードをしてくれるだろう。さらにポストプレー、裏への抜け出し、その後のチャンスメイクができるストライカーを獲得できれば、より素晴らしい攻撃ができる。ただ生え抜きの将来有望なストライカーであるクトローネが、今のモンテッラミランにはピッタリのプレースタイルであることはなんと素晴らしい偶然だろうか。まだまだ改善しなければいけない点はたくさんあるが、すでに戦力として計算できるレベルにはあると思う。

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・攻撃の形④

スソとボナベントゥーラが近い距離でプレー。

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スソからクトローネへスルーパス。通りこそしなかったが、少ない人数でも中央をこじ開けられることを示した。スソが中央でプレーすることでクトローネへスルーパスを出すシーンは何回かあったが、オフサイドにかかったりしてクラヨーヴァ戦ではうまくいかなかった。

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・攻撃の形⑤

ビルドアップをしながらロカテッリがボールを受けたシーン。R・ロドリゲスがまだ後ろに残り、ボナベントゥーラが間受けのためのスペースを見つける。

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ロカテッリはしっかりと見ていたのでパスを出してボナベントゥーラが間受け。一気にチャンスをつくった。

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ちなみにビリアであればより広い視野でビルドアップの基点になれるが、ロカテッリが出場する場合ケシエとR・ロドリゲスの攻撃参加をより慎重にして、ロカテッリの横でサポートする役割を担わせるので、ロカテッリがアンカーに入った場合でもうまくやれるような布陣になっている。クラヨーヴァ戦ではディフェンス面でも素晴らしい貢献をした。

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・攻撃の形⑥

これはコンティの攻撃性を感じたシーン。コンティのスライディングによってミランボールに。ロカテッリがスソに預ける。

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スソが前を向いてドリブル開始。すでにコンティが前線へと爆走中。

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スソのシュート。コンティはノーマークで最前線に。

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キーパーが弾いたボールにコンティが反応。シュートこそ外してしまったが、コンティの得点数が多いのはなぜか証明されたシーンだった。

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(Part.2へと続く)