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ミランってなにがやばいの?〜大型補強の裏に潜む恐怖〜

ミランはボランタリー・アグリーメント適用の申請をするために、UEFAと会談を行ったが、返答は10月に保留とされた。これは今夏の移籍市場で暴れているミラン、および興奮したミラニスタを悲観的にさせかねない重大なニュースだ。久しぶりの大型補強で浮かれているミラニスタを悲観的にさせたくないという気持ちもあるので、できるだけ僕が悲観しすぎずに自分なりにまとめてみたいと思う。

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まずボランタリー・アグリーメントとはなにか?というところだが、それを説明する前の前提条件としてファイナンシャルフェアプレー制度(以下FFP)を簡単におさらいしておく。

FFPとは?

FFPとは簡単に言えば赤字経営はダメだよという制度。クラブの健全経営を促す目的で施行されたものだ。細かいルールがいくつかあるので簡単に紹介します。

赤字経営ダメ絶対

先ほども言ったようにクラブの支出(移籍金や人件費など)が営業利益(スポンサー収入やスタジアム収入、選手売却金、賞金、グッズ収入などなど)を超えてはいけない。これで苦労すると思われたのが金満オーナーによるクラブ改革で、いくらオーナーが多額のお金を持っていても営業利益を超える額は出せないことになるので、あまり意味なくね?ってなるはずでした。

・審査は過去3シーズンが適用

赤字審査は過去3シーズンの合計で見られます。つまり例えば1年で800万€の赤字が出ても他の2年で900万€の黒字ならばオッケーよって感じ。それプラス救済措置として17-18シーズンまでは3000万€の赤字までなら許すよってなってます。しかし次の18-19シーズンからは完全に赤字がダメになります。

・育成や施設への投資はオッケー

いきなり赤字ダメとか言われたら、まあ削るところは育成やクラブ施設になったりしますよね。ただそれではサッカー界の未来は真っ暗になるので、ここだけは投資を認めています。スタジアム建設もオッケーです。

・違反クラブへの罰則

違反したクラブにはUEFAライセンスを剥奪されるペナルティが待っています。つまり最悪CLもELも出られない、軽くてメンバー登録数を少なくされたり、罰金になったりします。

 とまあこんな感じです。イタリアのクラブはこれでだいぶ苦しみましたね。ミランが弱体化していった原因もここにあったりします。ちなみにミランはここ数年間CLもELも出ていない&赤字は徐々に減らしていたので罰則はありませんでした。そしてボランタリー・アグリーメントとは?にうつります。

 

・ボランタリー・アグリーメント

これは簡単に言うと救済措置で、オーナーが説得力のあるビジネスプランをUEFAに提示できるのであれば、4年以内に収支をイーブンにすることを前提として、赤字の許容額を超えてもいいよってやつです。つまり多額のお金を使っても、そのお金が数年後に結果として収支がプラスになるような使い方であるなら、まあ別にいいよってことです。つまり今夏のミランが移籍市場で暴れているのも、これを前提としているわけです。これをミランはUEFAに提示して、そして返答を延期されたんです。それなりにヤバさが伝わりますかね?つまりボランタリー・アグリーメントが承認されなければ、今夏の支出と釣り合う額の利益を上げなければいけなくなり、つまり大量の選手放出などにつながる可能性があるわけで、さらに罰金等の罰則もあるかもしれないわけです。

 

では、ミランはUEFAに対してどんなプランを提示したのでしょうか?簡単にまとめます。

 

ミランは5年間で2倍以上の収益を目指しています。まず売り上げは、2016年末には1億9600万€だったものを2018年末までに2億7300万€へ。そして4億€の投資をして、2022年末には5億2400万€になるとしています。中国への売り上げを伸ばすことが大事になります。そして放映権収入を現在の9800万€から1億700万€へ。スポンサー収入を7600万€から8400万€へ。スタジアム収入を現在の2200万€から4000万€へ。そしてチャンピオンズリーグなどのUEFAからの賞金等の収入を2022年末までには6800万€にするとしています。UEFA側からしたら「そんな簡単にいかねえだろ…」といった感じなのでしょう。特に中国への市場拡大に基づく売り上げ、そしてスタジアム収入などに疑問を持っているらしいです。

追記:ここが少しわかりにくかったかもしれませんね。このミランの提示したプランはUEFA側からみただけでなく、客観的にかなり怪しさを感じてしまいます。

まず売り上げを2018年までに2億7300万€にするという目標は実現可能な範疇だと思います。というのは、最後にCLに出場した13-14シーズンの売り上げが2億5000万€で、CLに出場できなくなった14-15シーズンは2億600万€でした。そして現在は1億9600万€なので減ってはいるものの、そこまで大幅ではないです。なので、2014年末と比較して、CL出場することが絶対条件ですが、2018年末までに2億7300万€はまだ現実的なのかなと思います。問題はその後2019年末には4億2600万€にするというところです。ミランは中国でのマーケティングの効果を期待しているのですが、これはどう考えても非現実的と言わざるを得ない数字です。ここにUEFAは、なぜこのような数字になるのか説明を求めているわけです。これはセリエAで6連覇したり、3年間で2度もCL決勝に進んでいる現在のユベントスと同じか、それ以上の売り上げ額になるわけです。客観的にちょっと怪しいですよね。

 

さらに付け足します。CLに出場したとしてもその賞金が入ってくるのは2019年になるそうなので2018年までに2億7300万€も無理でしたね…。

 

返答を10月に延期されたミランは、新たなプランを提出する予定です。そしてファッソーネは最初から10月にもつれこむかもしれないことを示唆していましたし、彼らの手腕を発揮してぜひUEFAを説得してほしいですね。

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ちなみに、これはボランタリー・アグリーメントが適用されない可能性の悲観論で、ぼくが今まで言ってきたことは、適用されることを前提とした悲観論です。どういうことかと言うと、もし適用されたとしても、そのプラン通りに行くかは正直わからないわけです。ミランは21-22シーズンのスクデット獲得を前提としたプランを出しています。そして18-19シーズンのCL出場も前提としています。単純な話でいくと、CLに出場できなければ先ほど言っていたUEFAからの賞金はなくなりますよね?そしてCLに出られないクラブが売り上げを伸ばせるでしょうか?わずか1年でも躓いてしまったら大変なことになりかねないわけです。

なにより重要なのはやっぱり18-19シーズンからのCL復帰です。つまりここで、僕が何度も言っていた"来シーズンは確実に4位以内に入らなければいけない"という話になるわけです。そして"確実に4位以内に入ることができる"ようなチーム作りをしなければいけないので、今夏は"計算できる選手"を獲得したいわけです。ここまで言えば、ここ1年ブレイクしただけの国外の若手が、どれだけ博打的補強なのか理解してもらえますでしょうか?(アンドレ・シウバ、大ブレイクして杞憂だったと言わせてくれ!)

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これはあくまで僕個人の悲観論なので、あまり気にせずできるだけ今夏の補強を楽しみましょう。僕もこんなマジメなことより、アンドレ・シウバ獲得やばくね!?みたいなこと言っていたいのでね…。実際めちゃすごいと思うし…。(抜けがあったら付け足していきます)