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【16-17シーズンを振り返る Part.2】ACミラン編

モンテッラフィオレンティーナ時代にみられたように、ポゼッションサッカーを志す監督で、現代サッカーのトレンドでもある流動性・変則的な戦術の持ち主でもある。今シーズンの基本システムは4-3-3となるが、試合中流動的に変わる。各ポジション選手を振り返るとともに、来シーズンについても触れたいと思う。

前半戦のミラン基本フォーメーション

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後半戦のミラン基本フォーメーション

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ゴールキーパー

ポゼッションサッカーにおいて、ゴールキーパーはビルドアップの出発点となる為、それなりに足元の技術が要求される。今シーズン38試合すべての試合でこのポジションに入ったのがドンナルンマで、昨シーズンやシーズン序盤に比べて明らかに足元の技術は向上していったが、まだ不安定なのは変わらず。ペスカーラ戦ではトラップミスがそのままゴールになってしまう 最悪なミスをした。しかし、それを責めることができないほど今シーズンはドンナルンマに救われた。来シーズンもドンナルンマで間違いないだろう。扱いが難しいのはプリツァーリで、彼も将来が期待されていながらすでにミランにはドンナルンマがいる。まだ17歳というのを考えれば、プリマヴェーラ、あるいはレンタルで経験を積ませるのがいいだろう。

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センターバック

センターバックはやや低い位置からのフィードやビルドアップを担うタイプが必要になる。ロマニョーリは適任で、パレッタもそれなりに頑張ってはいた。ゴメスは終盤になり、来シーズンを期待させるプレーをしており、サパタは今シーズンで終わりだろう。ロマニョーリの相方探しがいちばんの補強ポイントだったが、ムサッキオが加入するので安心できそう。

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サイドバック

このポジションがモンテッラサッカーの肝になる。左右のサイドバックに求められる共通の点は、チームのバランスを取ることだろう。攻撃時、片方はより前の位置でプレーをして攻撃に厚みを持たせ、もう片方は最終ラインに残りビルドアップに参加しながらサポートする役割を求められている。どちらも戦局を見てバランスを取りながら動くことを考えなければならない。今シーズンのミランでは右のアバーテを攻撃的に、左のデ・シリオをビルドアップのサポート役にすることでうまく機能させた。攻撃を仕掛けるときのポジションは下の図のようになる。スソの作ったスペースにアバーテがウイングとして振る舞うという構図だ。デ・シリオが退団濃厚でアバーテも怪我の状態がはっきりしないので、アントネッリやカラブリアを残したうえで、噂通りリカルド・ロドリゲスやコンティの獲得が理想だろう。特にコンティはアバーテよりも決定力があり、是が非でも獲得したい選手だ。ぼくアバーテ大好きだけど。

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・中盤

中盤の選手たちはチームのバランスを保つための重要なポジションだ。1人を中盤の底に置き、プレイメーカーとしてゲームを組み立てる役割と、アンカーとしてディフェンス面での貢献も任される。今シーズンこのポジションはロカテッリとソサが務めたが、どちらも守備の軽さが目立った。その前に置かれる2人は攻撃と守備、どちらもサポートするためにピッチを上下に走り続けることが求められる。片方は高い位置で違いを作り出すプレイメーカーで、片方はBOX TO BOXとしての役割を任されることが多く、リーグ前半では前者をボナベントゥーラ、後者をクツカが担っていた。ボナベントゥーラが怪我をしたあたりから、パシャリッチのような豊富な運動量の選手を使い続けたのはこのような役割を強く求めていたからだろう。サイドからのクロスの際にエリア内に入ってきてくれ、カウンターでも前線に走ってくれる(もちろん守備にも走ってくれる)パシャリッチは、攻撃に厚みを持たせ、ハードなプレスをかけ続けるための陰のキーマンになり得た選手だ。ただ決定的に残念なのはテクニックとセンスがまるで感じられないところだった。マティもボナベントゥーラのような役割を求められたが、イマイチ攻撃面で違いを作り出すことができなかった。加入間近とされているケシエは、クツカのポジションの選手としてはうってつけだろう。

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・ウイング

このポジションも左右で異なる役割を求められる。今シーズン右ウイングで活躍したスソは、相手ディフェンダーを引きずり出し、数種類のクロスを上げることができ、よりミッドフィルダーに近いようなプレーをする。左ウイングのボナベントゥーラはライン間で受けたりしながら、コンビネーションやドリブルで崩したりポゼッションを安定させる為の役割もこなしていた。イタリアスーパーカップユベントス戦でのボナベントゥーラのゴールはいい例のひとつだったように思える。ニアンは単調であり調子に左右されたため戦力として計算できず、デウロフェウはボナベントゥーラのような役割をこなそうとしたが、彼ほどのパフォーマンスは見せられず、代わりにカウンターでより脅威になっていた。今シーズンは右サイドのスソ対策をされたことで、攻撃が停滞してしまったので、来シーズンの左ウイングは重要なポジションになり得る。できればボナベントゥーラは中盤で使いたい。

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センターフォワード

モンテッラのサッカーにおいて、9番は孤立しがちだが重要なポジションでもある。相手を背負いながら安定してボールを収めることやスペースへの飛び出しなど、チームを活かすプレーが求められる。残念ながらバッカはこのポジションには向いていない。ラパドゥーラは控えとして確実に残すべきだろう。噂されているモラタは、スペースさえあれば素晴らしい選手だ。ユベントス時代のセリエAでのゴール数が少ないのと、今シーズンのリーガでのゴール数が多いのは(どちらも絶対的なレギュラーではなかった)スペースを消されるセリエとオープンな試合が多いリーガの違いが出ているようにも思える。ユベントス時代もチャンピオンズリーグでは、しっかりと点を取っていた。同じことはオーバメヤンにも言えると思う。ちなみにベロッティはオールラウンダー的なストライカーだ。いずれにしても、今夏いちばんお金をかけるポジションだろう。

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ちなみにシーズンの終わりにみせた3-5-2は、来シーズンもオプションとしては十分に考えられる。今シーズンはまともな戦力補強が無かったことや、怪我人の多さでこのようなポゼッションサッカーを完成させることができなかった。来シーズンはどんなフォーメーションで行くのかまだわからないが、来シーズン以降はモンテッラサッカーを機能させて、ぜひチャンピオンズリーグ出場権を勝ち取ってほしい。

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