【16-17シーズンを振り返る】フィオレンティーナ編

ミランの監督であるモンテッラが就任した12-13シーズン以降、安定した成績を残してきた。モンテッラ時代には3年連続4位フィニッシュ。セリエAのCL枠が4つのままであったら、3年連続でCL圏内に入ってたことになる。昨シーズンは監督がパウロ・ソウザになって5位。もはやEL出場は当たり前、目指すのはCL出場、というチームだ。しかし、2年目をむかえるパウロ・ソウザ監督のフィオレンティーナは、勝ちきれない試合が多いシーズンとなってしまった。

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ユベントスとの開幕戦、アロンソ移籍

夏の移籍市場では、あまり大きな動きはなかった。テージョをレンタル延長、カルロス・サンチェスをレンタル、アストーリをレンタルから完全移籍など、あまり良い言い方ではないが、地味な補強だった。第1節の相手はアウェイでのユベントス戦。開幕戦は勝って勢いづけたいところなのだが、最悪な相手で開幕しなければいけなかった。そのユベントス戦、一時はカリニッチのゴールで同点に追いついたが、イグアインユベントス移籍後初ゴールもあり1-2で敗れた。しかし第2節のキエーヴォ戦、第4節のローマ戦(第3節は雨で試合中止、延期)を1-0で連勝し、まずまずの開幕3試合だった。ちなみに移籍期間ギリギリで、主力だったマルコス・アロンソチェルシーへと引き抜かれたのは痛かった。パウロ・ソウザもかなり不満だったらしく、この頃からすでに、今シーズンでフィオレンティーナを離れるというような噂も出ていた。

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・いまいち勝ちきれないチーム

ローマに勝ったチームは勢いに乗るかと思いきや、勝てない試合が続く。ウディネーゼミランには引き分け、トリノには敗戦、アタランタに引き分けと4試合勝ちから遠ざかり、ファンからブーイングを浴びることになる。ほんとうならチームのエースとして引っ張って欲しいベルナルデスキが開幕からあまり調子が良くなかったことも原因のひとつだった。しかし、第9節のカリアリ戦ではカリニッチとベルナルデスキの2人だけで5点を奪い、快勝した。ここからチームの調子も上げていきたいところだった。

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・のらりくらりのまま…

カリアリ戦に快勝したが、その後クロトーネと引き分け、ボローニャに1-0の勝利、サンプドリアに引き分けと、なんとも微妙な結果が続く。第13節でエンポリに4ゴールを奪い快勝したが、ELでPAOKセリエAインテルに負け、せっかく快勝してもまったく波に乗れなかった。それでもベルナルデスキが連続ゴールを決めるなど、カリニッチやイリチッチと共に攻撃陣の復調を匂わせていた。パレルモサッスオーロに連勝したチームは、しかしジェノアラツィオに連敗、試合終了間際に追いつかれてのナポリ戦引き分けと、好調が続かないまま2016年を終えた。ちなみに第18節のフィオレンティーナナポリは、今シーズンの個人的面白かった試合上位に入る試合で、なによりベルナルデスキのプレーが圧巻だった。

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・新年ダッシュ、しかし相変わらず…

2017年に入り、コッパ・イタリアキエーヴォ戦に勝利すると、続くホームでのユベントス戦を2-1で見事に勝利。2点目のバデリのゴールで、触ってないのに自分が点を決めたように振舞っていたキエーザがとても可愛かった。そしてセリエAでのキエーヴォ戦も3-0で勝利(今度はキエーザがちゃんとゴールを決めた)と、最高の新年ダッシュを決めた。しかし、それも長くは続かなかった。コッパ・イタリアナポリに負けると、ジェノアと引き分け、ペスカーラ相手になんとか勝利するも、ローマに0-4で敗戦。ウディネーゼ戦とELでの1stレグ、アウェイのボルシアMG戦に連勝するも、ミランに敗戦、アウェイで勝利したはずがホームで2-4で負けてのEL敗退など、相変わらずの微妙な結果にスタジアムではブーイングが飛び交っていた。

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・カリニッチの劇的ゴール

第28節カリアリ戦、4試合勝利がなく、この試合でも90分間苦しんだチームをアディショナルタイムのヘディングゴールで救ったのはカリニッチだった。そして第29節のクロトーネ戦、この試合も苦しむ中、90分のゴールでチームを勝利に導いたのは、やはりカリニッチだった。冬に中国クラブからオファーがあったが、「金より大事なものがカルチョにはある」という名言と共にチームに残ったストライカーが、どん底のチームを救ってみせた。続くボローニャ戦もババカルのゴールで勝利したチームは、今シーズンリーグ戦で初めて3連勝し、なんとかEL出場へ望みをつないだ。

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・それでも勝てなかった今シーズン

カリニッチのおかげで最悪な状況から脱したかに思われたフィオレンティーナだが、そこからまたいつもの調子に戻ってしまった。サンプドリアエンポリに勝てず、インテル戦は5-4というスコアで勝利。パレルモサッスオーロに勝てず、ラツィオに勝利。そしてナポリに4失点大敗、ミランが最後のEL出場権を得たことで、久しぶりにヨーロッパの舞台から離れることが決まった。

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今シーズン限りでパウロ・ソウザフィオレンティーナを離れ、新監督にはピオリが来そうだ。自前のスタジアム建設計画も発表され、今後新たな時代へと移り変わる転換のシーズンだったかもしれない。ユース上がりのフィオレンティーナBBC(ババカル、ベルナルデスキ、キエーザ)など、期待の若手も出てくる中、来シーズン以降どんなチームになるのか非常に楽しみだ。

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