セリエA第9節 インテル対ミラン

試合のマッチレポはこちらで書いています。

 

ガットゥーゾについて

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感情的に言えば、正直ガッカリでした。なぜあのビルドアップに拘るのだろうか、という話は以前したと思います。他にも所々はてなマークがつくような采配などもありますが、それでも僕がガットゥーゾを信用していたのは勝者のチームとしてのまとまりをもたらしてくれるであろうところと、ミランの一員として絶対に譲れない精神的なものをガットゥーゾはまさしく体現してるような人間だったからです。この試合の采配はあまり良くないものでしたが、せめて勝ちに行く姿勢を見せて欲しかった。他の試合ならまた別なのですが、ミラノダービーは引き分けで終わらそうとしてはいけない試合だと思っています。これは感情的な話になってしまうのですが、ミランのファン心理として、そう思うんです。しかも結果として負けになってしまっては…。クトローネのサイド起用、バカヨコ投入、アバーテ投入はピッチで戦う選手たちにどういうメッセージとして届いたんでしょうか。「勝ちにいけ、ゴールを決めろ!」ではないような気がします。ただただ勝ちにいって欲しかった。それに尽きます。

もちろん、この試合によってガットゥーゾ解任などと騒ぐつもりもないですし、これからもミランを率いてより高いレベルへ連れて行って欲しいし、全力で応援します。ただ、根底にあった信頼が揺らいでしまったのも事実です。まだシーズンは長いので、ミランを少しでも以前の姿に戻してくれるように祈り、応援していきたいと思います。

イグアインについて

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イグアインは加入後しっかりと結果を残しています。ボヌッチのせいで、ユベントスから来た選手をなかなか信用できなかった僕も、ミランに来てくれてありがとうといった感じです。ただ、たまに見せる気の抜いたプレーが引っかかります。エースストライカーとしてボールを要求して、ボールが来なければ味方に対しても吠える姿勢は良いと思います。ただ、中盤に降りてボールを要求して、ボールが来なかったときに動きを止めることで、イグアインを経由しないでボールは進んでいるのに、フォワードがいて欲しい場所にいないというのがたまに見られます。厳しい見方かもしれませんが、どうしても気になります。加入してからの貢献度は素晴らしく、そこについては文句はないのですが。そういった姿勢からチームを引っ張っていってほしいです。

 

これらは個人的に、感情的に思ったことなので悪しからず。未消化試合に勝てば、順位上はまだまだ上を目指せる順位にはなるので頑張ってほしいですが、ミラノダービーでの敗戦、とても悔しいです。

ミラン、パケタ獲得か

ミランはブラジルのフラメンゴでプレーするルーカス・パケタ獲得を決めたとの報道がありました。

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移籍金は4年分割の3500万ユーロ+ボーナス1000万ユーロとされています。

突然の報道だったので驚きました。前回も記事で書いたようにこの時期には適当な話ばかり出てくるので、基本は無視でいいというスタンスでいたら、まさかの本気のやつでした。レオナルドの復帰後初のブラジルコネクションとなりそうです。移籍金もバイアウト5000万ユーロから値下げして、かつ分割払いというのは、ミランにとってはそこそこ良いのではないでしょうか。

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おそらく一度も観たことがなかったので、プレー集動画を見たあと、フラメンゴの試合をはじめてフルで軽く観てみました。4-1-4-1の左メッザーラとしてプレーしており、もちろんテクニックはあって創造性もありそうなのでなんとなく可能性は感じますが、現時点では攻撃面はベルトラッチを多少良くした程度の印象しか残らなかったです。それよりも意外と空中戦に強そうで、守備意識が高く、しっかりとプレスバックする選手というほうが印象が良かったです。もちろんこれだけヨーロッパから注目されており、レオナルドのお墨付きともなれば、こんなものではないんだろうなとは思うのですが。いくら分割といっても移籍金3500万+ボーナスはミランにとってはかなりの金額なので、少しだけ不安です。この感覚、アンドレ・シウバの時と似ているので、パケタには絶対に活躍して欲しいですね。レオナルドがミランに連れてきたブラジル人というだけで期待してしまいますしね。

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今回書いた内容はあくまで第一印象程度なので、今後数試合に渡ってパケタのプレーをしっかり見て、ちゃんと評価をしたいと思います。はやく素晴らしいプレーを見てみたいですね。

 

というか、まだ正式に決まったわけではないんですけどね。笑

 

 

追記:パケタのスカウト記事を書きました。

 

ミラン、公式戦3連勝で代表ウィークへ

サッスオーロに見事に勝利したミランはそこからオリンピアコスキエーヴォ相手に勝利して公式戦3連勝。少しずついい流れになってきたかな、という印象です。

オリンピアコス戦、キエーヴォ

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オリンピアコス戦は前半こそ最悪でしたが、後半の4-4-2がうまいことハマりましたね。4-4-2はいつもの負けてる時のオプションなので、戦術的な噛み合わせ等によるシステム変更ではないと思いますが、クトローネとイグアインの2トップは相性が良さそうなので、もっとみたいですね。

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キエーヴォ戦は、ちょっとキエーヴォが酷すぎましたが、見事に勝利。ここまでのイグアインは期待通りの活躍を見せてくれているので、ある程度満足です。後半に4-4-2をより成熟させていくためにクトローネを投入しましたが、不安なのでできれば怪我を完治させてほしいです。今週はチャンピオンズリーグもあり、各国リーグでも素晴らしい試合が多かったので疲れましたが、キエーヴォ戦を見返して書きたいことが見つかったらもう一度記事にしてみたいと思います。まあ毎試合失点もしていますし不安、不満はありますが、この連勝は単純に気分がいいですね。笑

イブラヒモビッチの噂

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この時期に出てくる移籍の噂は大抵適当なことばかり書かれるのですが、イブラヒモビッチ復帰の噂が流れていましたね。確かにイグアイン、クトローネ、イブラヒモビッチって陣容はとてもワクワクはしますが、どうなんでしょうね。これから4-4-2へと移行するとしたら2トップにしては枚数が足りないのは事実ですが…。アメリカで元気にプレーしているみたいですが、全盛期と比べてどの程度プレーできるんでしょうかね。その勝者のメンタリティに関しては、今のミランにはめちゃめちゃ必要ではあると思います。何度も言うようにこの時期の噂なので、そんなに真剣に考えることでもないのかもしれませんが。

 

それと、もうお読みになった方もいらっしゃると思いますが、ミランの買収騒動に関してとても興味深い記事が出ていたのでぜひ。

 

個人的にマンチーニがとてもとてもとっても好きではないので、代表ウィークの楽しみが若干薄れてきています。暇になるので今季ここまでで面白かった試合等あったらぜひ教えてください。

セリエA第6節 エンポリ対ミラン

イグアインが怪我で招集外なのでトップにボリーニが入り、左サイドバックラクサール。あとはいつものメンバー。戦術的にどうこうっていう試合ではなかったので、こっちのブログでぼやきます。

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・ビルドアップ

ガットゥーゾは今季のミランに『ビルドアップしていくこと』や『スペースを与えないこと』などを重点的に求めているけど、ピッチ上を見ていると、どうもチーム設計的に矛盾がある気がする。

まずいちばんに言いたいのは、チームとして設計されていない、後方からの繋ぐビルドアップに拘るのはやめたほうがいいと思う。今季ここまでの数試合で、なんとなくうまくいったように見えたのはローマ戦の前半だけ。それもローマが4-2-3-1にシステム変更した後半からはダメダメだった。もはや世界中に弱点がバレているし、チームとしてプラス面よりもマイナス面のほうがはるかに多く出てしまっている。それでも拘るのであれば、まずキーパーはレイナにしたほうがいい。ドンナルンマは素晴らしい選手だけど、今のチームでは最低限プレスを回避するためにサイドバックへボールを出せる技術はほしい。でも、キーパーを変えたところでそこまで大幅な変化は期待できない。後方から繋ごうとして、途中でボールをロストして、中盤から前線の選手が走って戻ってくる。無駄なスプリントが多い気がする。ビルドアップを、一度考え直したほうがいい気がする。

・中盤の守備

ちょっと面白いシーンがあった。ドンナルンマがゴールキックを蹴っ飛ばして、そのままエンポリスローインになる。そのスローインからのエンポリの攻撃に対して中盤でボールを奪い取り、ボナベントゥーラとケシエの決定機へと持っていく。さらにそこで得たコーナーキックで再びボナベントゥーラもケシエが決定機をつくる。最終ラインから繋ごうとして、幾度となく失敗しているチームが、アバウトに蹴って相手にボールを渡して、それを中盤で奪い取って決定機を何回もつくる。ミランのいちばんの強み(と僕は思ってる)である中盤の運動量を、献身性を最大限に活かすのであれば、今のチーム設計は正しいのかな、と思ったりする。

 

 

それでも僕はガットゥーゾを信じています。解任論とかうるさいうるさいって感じで、まだまだやれると思ってます。色々ぐちぐちと言ったけど、エンポリ戦もそこまで悪いところもなかったし、ロマニョーリのミス(あれも繋ぐ意識からああなったのなら問題ではあるけど)が無ければ、もう少しチャンスで決めていれば、危なげなく勝てた試合でもあったので。アタッキングサードの崩しはわりと良いので、そこまでどう持っていくか、という点でいくつか考え直したほうがいいのかなっていう点をぼやいたまでです。あとはメンタル面の向上ですかね。

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まあでも、そろそろリーグ戦での勝利が見たいですなあ。頑張れ、ガットゥーゾ 。頑張れ、ミラン

 

追記:ただ、同じ日にサッスオーロはガッツリとターンオーバーしてSPALに快勝してますし、ミランはスタメンほぼ固定なので、次節はコンディション面も不安です。

ミランのユース育成について

先日、ミランプリマヴェーラは、ローマ・プリマヴェーラに1-7というショッキングなスコアで負けました。

前経営体制はどんな意図があったのか、プリマヴェーラにレンタル移籍等で選手を入れて戦力アップを図ったのですが、そこまで特筆して結果を残したわけではありませんでした。まあ、それ自体はプリマヴェーラは結果が最優先ではないのでいいのですが。

今夏新経営陣となり、プリマヴェーラの選手たちは大量放出されました。個人的に謎なのは、トップチームで試されることなく買い取りオプション付きで放出されたチアゴ・ディアス。前経営陣が獲得した若手の中で最もトップチーム昇格が期待されていた選手なだけに、少し残念です。

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またファッソーネとミラベッリのいちばんの失態とも思える育成トップのフィリッポ・ガッリやビアンケッシの解雇。ガッリは今でもユースの試合を観戦しに来てるため、どうなっているのかよくわかりませんが、今のトップチームで活躍する生え抜きたちを見れば、これまでのガッリの功績は明らか。カリアリからベレッタを引き抜き、彼が育成組織のトップにいることは確かなのですが、果たしてガッリを首にすることにどんな意図があったのか。ビアンケッシはミランのチーフスカウトとして、ドンナルンマやロカテッリを見つけてきた人物。前経営陣とガッリのユース育成モデルが対立したのは容易に想像できますが、果たして彼らが去ったあとのミランのユース育成プログラムはどうなるのか。

 

あまり育成年代について色々と騒ぎ立てることはしませんが、新経営陣はどのようなプランがあるのでしょうか。これから少し様子を見ていきたいと思います。いくらプリマヴェーラといえども、方針があやふやで試合でも負け続けているのは多少心配。これからもトップチームにひとりでも優秀な選手を送り込める組織であってほしいと願うばかりです。

管理人よりお知らせ

いつもブログ訪問ありがとうございます。

 

この度、新しくブログをはじめることになりました。

カルチョスタイルを追え! | セリエAを中心に海外サッカーのマッチレポ&戦術分析

理由はいくつかあるのですが、いちばんは個人的に気になった試合のマッチレポをもっと書きたいと思ったからです。サッカーに対する情熱が年々大きくなり、セリエAはもちろん、他リーグでも気になるチームが増えてきて、それらはこのブログの方針とは異なってくるなと思いました。

 

新しくブログをはじめますが、今のところ、このブログをやめるつもりはないので、これからこのブログは99.9%ミランのことを書くブログにしていきたいと思っています。(マッチレポは新ブログになると思いますが)

 

新ブログ→ミラン含むセリエAを中心とした海外サッカーのマッチレポや戦術分析がメイン

当ブログ→ミランに関する情報やら雑記やらがメイン

という感じで今のところはいきたいと思っています。

 

これからは当ブログと共に、新しいブログの方も応援していただけたら嬉しいです。これからもよろしくお願いします。

 

さっそくミランアタランタのマッチレポを書いたのでよろしければ御一読ください。

 

管理人シミズ。

セリエA第4節 カリアリ - ミラン

絶不調ローマ相手に今季初勝利のミランと、アタランタ相手に今季初勝利のカリアリの一戦。代表ウィーク明けもミランのスタメンは変わらず。

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ミランのビルドアップvsカリアリのプレス

ナポリ戦では全く機能せず、ローマ戦では相手の緩さから前半だけはある程度機能した、ミランの最終ラインからのビルドアップ。もちろんカリアリも前からプレスをかけてきます。

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ゴールキックでCBムサッキオへとボールが渡ると、カリアリはほぼマンツーマン気味に前に出てきます。ミランは後ろから繋ぎたいのですが、どう繋ぐかはどの監督の時代もほとんどデザインされておらず。ムサッキオは苦し紛れにケシエめがけてボールを蹴りますが、ブラダリッチに拾われて、その流れでバレッラのシュートまで持っていかれました。前半1分の出来事です。

ミランカリアリの修正合戦

システム噛み合わせ的にカリアリはブラダリッチが浮くのですが、ミランはなぜかそこに対するケアの仕方を試合前から持っていませんでした。

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ケシエがCBへとプレスをかけようとすると、ケシエのいたスペースにバレッラ。そのバレッラをビリアがケア。ブラダリッチがフリーで受けて裏へ走るペドロにフィード。チャンスをつくられました。

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それに対してミランはまずビリアをブラダリッチにケアさせようとしました。これによってブラダリッチを経由しようとすると引っかかり、ミランはボールを奪うことができました。

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それに対してカリアリはビリアがブラダリッチを捕まえにいったことで生まれたスペース(ここがいつも使われるビリア周辺のスペース)へカストロやファリアスなどが侵入。中盤を飛ばして一気にチャンスをつくりました。

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それに対してミランはビリアをブラダリッチ番から外して、ケシエとボナベントゥーラの両IHが交互にケアすることで対応。ビリアが空けたスペースへ飛び込む選手はいましたが、ビリア横のスペースをうまく使える選手がカリアリにはいなかったので、これでとりあえずおさまりました。この辺の応酬、なんとなくセリエ感ありましたね。

・クトローネ不在時の交代策

ミランはボナベントゥーラに代えてバカヨコ、チャルハノールに代えてサムカス、R・ロドリゲスに代えてラクサールを投入。最後15分間くらいはスルナのサイドに元気なドリブラーを当てて、質で上回ろうとしました。サムカスひとりではまだまだ足りないと思ったのか、ラクサールも投入して執拗にサイドを攻めたわけですが、まだまだ良いコンビネーションも感じられず。サムカスは途中出場で良いプレーしたなあ、となる試合はクトローネとイグアインの2トップで4-4-2のシステムの時のみなので、まだまだ時間はかかりそうだなあという印象です。正直、常に相手CBと駆け引きをしてくれるクトローネの欠場が本当に痛かったです。

試合はイグアインの初ゴールで同点としましたが、カリアリ相手にドロー。

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全体的に選手のコンディションも悪かったのですが、試合自体は前半20分間以外はそこまで悪くもなく。いちばんミランらしいチャルハノールのサイドチェンジからスソのクロスという攻撃をした後にカウンターで失点したのがなんとも…。ただ、後ろから繋ぐビルドアップに執拗にこだわるのはどうしてなのか。しっかりとデザインできていないので、メリットよりもデメリットの方が強く出てしまっているなあと思います。例えばケシエやバカヨコあたりをターゲットにして、プレスを回避してから陣形を整えたりというバリエーションは確実に必要になってきます。うーん、昨季は"一応"前線へ高精度のフィードを送ることのできる選手がいたのですが…。開幕からシティとチェルシーのプレスにやられまくったエメリ体制のアーセナルと同じような現象をこの3試合で見ています。ミランは修正できるのでしょうか…。ビッグクラブが揃って低調なときに、勝ち点を稼いでいきたいですね。

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次戦はヨーロッパリーグ。昨季のグループステージは相手チームのレベル的にもあまり緊張感が無かったので、ベティスオリンピアコスとの対戦は楽しみです。特にベティスはとても面白いサッカーをしていますし、乾もいるので日本人のサッカーファンとして、かなり楽しみです。